ファッジの嫁入り物語 episode5








いろんな思いが錯綜したおばさんだがとにかく本人に確認。
ホテルの打ち合わせには、2人で何度か行っていたので
まさかバニラさんが家族に内緒にしていたとは思いもよらなかった。
で、私はその事実を知らないままバニラさんの実家へ
初めて訪問することになった。








バニラさんからは、母親は自分が2歳の時に離婚し
その後市役所に勤めながら、
女手ひとつで育ててくれたという話しか聞いてなかった。


しかし家には年配の女性が4人と男性が1人。
この人たちが、どういう人かという説明もないままに
私は家族構成から両親の仕事から出身地から学歴から
いろいろと聞かれた。


滞在時間は1時間ほどだった。







内心私は、私の家族がバニラさんを温かく迎え入れたように
私もバニラ家では、大歓迎してくれたものだと思っていた。
母一人子一人の家庭なら、なおのこと家族が増えることで、
より楽しいひとときが一緒に過ごせると思っていた。


ところが、招かざる客という感じだった。
本当にどんだけおごっているんだ、私は…










ほっとしたら、涙が出た。
この追いかけて来てくれたおじさんは
お義母さんの4人姉弟の末っ子の弟さんだった。


私はこの時のこの言葉にとても救われた。
てか、このおじさんがいなければ
結婚してなかったかもしれない。


結婚は当人同士がちゃんとしていれば
その家族なんか後からついてくるものだと思っていた。
でも、違っていた。
結婚後も、私はこのおじさんにとてもお世話になった。
いつも私の味方になって嫁姑の間に入ってくれた。


しかし、残念ながら叔父さんは
姉であるお義母さんとおばさんを追い抜いて、
癌を患い他界された。
3人の娘さんがいて、末娘さんが私と同じ年だ。
そのせいか私のことも、最後までよく気にかけていてくれた。
私のもう一人のお父さんのようだった。


(つづく)


2 件のコメント :

  1. いつも楽しみに拝読しております。
    叔父様のセリフ「ココサさん」になっておりますよー。

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  2. 本当に素敵な叔父様でしたね
    ファッジさんが涙をこぼしたシーンで
    私もホロリときてしまいました

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