ファッジの嫁入り物語 episode8









そんなこんなで、両家の顔合わせは
中間地点にある、名古屋の老舗料亭で行われた。
結納は、仲人を引き受けてくれたアニキ夫婦が
由緒正しく両家を行き来して、無事終了。




両家の親が、それぞれの家を訪れることは1度もなかった。
私の姉が結婚した時は
家も近いし、家庭環境も似ていたこともあって
義兄の両親とうちの両親はとても意気投合していた。




若夫婦とは関係なく
一緒に釣りに行ったり、旅行に行ったりしていた。
しかし…





それを思うと、自分の結婚に少々の不安も感じたが
35歳と26歳の当人同士はラブラブなわけで
それで破談になるということはなかった。



当時はまだ、結婚式のメニューといったら
鯛の尾頭付きのお祝い御膳が主流だった。
でも、せっかくフランス料理が自慢の老舗のホテルを
予約したのだからと、憧れのフルコースをねだった。





しかし当日、抹茶家の強い要望で
フルコースにお赤飯がプラスされていた。
今から思えば、ダンナが一生懸命
お義母さんたちを説得したんだろうなと思う(笑)


そして、結婚式と言えば花嫁衣装。
私は母と2人で衣装合わせに行った。
たしか打ち掛けを5着ほど羽織った頃…




と、ピンクの色打ち掛けを私が羽織った時に
母の目が輝いた。





この時初めて、
「ああ、私、本当に結婚するんだなぁ…」と感じた。


(つづく)


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